クロスフィンガー
クロスフィンガーとは、患指が隣の指の下側に潜り込むという症状です。
下記のイラストのように、指が重なった状態で固定されます。
(1)原因
中手骨を骨折して、骨折した部分が回旋した状態のままで傷口がふさがってしまうと、クロスフィンガーを発症します。
中手骨(ちゅうしゅこつ)とは、「手のひらに中央部にある骨」のことです。
下記のイラストを見てください。手根骨上部に「中」と書いてある部分が、中手骨です。
(2)治療
通常は、「骨切り術」という手術が行われます。
骨切り術とは、「骨折した部位を再骨折させ、指を曲げたときに重ならない位置に整複して、ミニプレートで固定する」という方法です。
(3)後遺障害
骨切り術でクロスフィンガーが矯正された場合は、後遺障害は残りません。
一方で、手指を挫滅骨折した場合、骨切り術を実施しても指が元の状態には戻らないことがあります。
このような場合は、手術は断念しなければなりません。
手術を断念せざるをえないケースでは、クロスフィンガーの状態は解消されず、痛みも残ります。
クロスフィンガーの状態が解消されない場合は、パソコン操作などの簡単なデスクワークも困難となります。
軽い物をつかむこともできなくなり、楽器を弾いたりすることも困難となります。
買い物やお料理や洗濯など、日常生活の作業効率も低下します。
このように深刻な障害が残るのですが、後遺障害の等級認定手続きは簡単ではありません。
実は、クロスフィンガーは後遺障害等級認定表に定めがありません。
後遺障害等級認定表とは、一般的な後遺障害の事例を表にしてまとめたものです。
この表をのどこを探しても、クロスフィンガーの記載はありません。
手指の後遺障害を探すと、手指の「欠損」もしくは「用廃」、手関節の「機能障害」について規定されているだけです。
クロスフィンガーは「欠損」でも「用廃」でもなく、「機能障害」にも該当しません。
このため、クロスフィンガーの後遺障害等級の認定手続きは、慎重に行わなければいけません。
「日常生活でどのような支障があるか」「仕事上でどのような不具合が生じているか」などについて、丹念に立証する必要があります。
クロスフィンガーは深刻な後遺障害ですが、交通事故の示談の手続きの際には注意が必要です。
後遺障害等級認定表に載っている一般的な後遺障害とは異なるため、より慎重かつ丁寧な配慮が必要です。
手続きを行う際には、医学的知識だけでなく、法的知識や専門的なノウハウが必要となります。
クロスフィンガーでお悩みの方は、交通事故に精通した専門家にご相談されることをおすすめいたします。
当事務所では、日頃から交通事故の紛争解決に力を入れており、交通事故の示談手続きについて豊富な実績と経験を積んでおります。
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