後遺障害事例

脊柱の圧迫骨折  脊柱の変形障害

交通事故で脊柱の圧迫骨折となったとき、認定を受けられる後遺障害の等級は、以下のとおりです。

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1.脊柱に著しい変形を残すもの

6級5号の「脊柱に著しい変形を残すもの」とは、レントゲンやCTMRI画像によって、脊椎圧迫骨折等を確認できる場合で、かつ次のいずれかに該当するものです。

1-1.脊柱圧迫骨折等によって2つ以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後弯が発生している

「前方椎体高が著しく減少した」とは、減少した後方椎体高の合計と、減少後の前方椎体高の合計と差が、減少した椎体の後方椎体の1個分の高さ以上になっている場合です。

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計算例

たとえば、3つの椎体の後方椎体高が150mmで前方椎体高が90mmのとき、その差は60mmです。

そして、1つの椎体の後方椎体高は、150mm÷350mmですから、差である60mm50mmより大きくなっており、65号が認定されます。

         

1-2.脊柱圧迫骨折等により1つ以上の椎体の前方椎体高が減少し、後弯が生ずるとともに、コブ法による側弯度が50°以上となっているもの

「前方椎体高が減少した」というのは、減少した椎体の後方椎体高の合計と、減少後の前方椎体高の合計の差が、減少した椎体の後方椎体高の1個分の高さの50%以上になっている場合です。

 

計算例                                                               

2つの椎体の後方椎体高の合計が100mm、前方椎体高が70mmになった場合、その差は30mmです。

そして、1つ分の椎体の後方椎体高は、100mm÷250mmです。これを2で割ると、25mmとなり、30mmより小さくなっています。

そこで、このとき、コブ法による側弯度が50°以上となっていれば、65号が認定されます。

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※コブ法とは、脊柱の弯曲を調べるためのレントゲン撮影方法の1種です。

脊柱のカーブの頭側と尾側で、それぞれ水平面からもっとも傾いている脊椎を基準に、頭側でもっとも傾いている脊椎の椎体上縁の延長線と、尾側でもっとも傾いている脊椎の椎体の下縁の延長線が交わる角度と側弯度を測ります。

 

脊柱の後弯の程度については、脊椎圧迫骨折や脱臼によって前方椎体高が減少した場合に、減少した前方椎体高とその椎体の後方椎体高の高さを比べることによって判定します。

脊柱の側弯は、コブ法を使って判定します。

後弯や側弯が、頚椎と胸腰部にまたがって発生している場合、後弯については、脊椎の前方椎体高の減少の程度によって判定し、側弯については、全体の角度によって判定します。

 

 

 

2.脊柱に中程度の変形を残すもの

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脊柱に中程度の変形を残すものとは、レントゲンなどによって脊椎圧迫骨折等を確認できるときであり、かつ次のいずれかに該当するものです。

 

  • 脊柱圧迫骨折等により1つ以上の椎体の前方椎体高が減少し、後弯が生じているもの
  • コブ法による側弯度が50°以上であるもの、
  • 環椎または軸椎の変形・固定により、次のいずれかに該当するもの、

A 60°以上の回旋位となっているもの

B 50°以上の屈曲位または60°以上の伸展位となっているもの

C 側屈位となっており、XP等により、矯正位の頭蓋底部両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30°以上の斜位となっていることが確認できるもの

 

AとBを調べるときには、軸椎以下の脊柱を動かさず、被害者にとって自然な肢位のまま、回旋位や屈曲・伸展位の角度を測定します。

 

60-3

 

1頚椎、C1は環椎、Atlasと呼ばれ、C2は軸椎、Axisと呼ばれています。

環椎と軸椎は脊柱の中でも、先頭の位置にあります。

後頭骨と環椎、環椎と軸椎の2カ所の骨間には、椎間板がありません。

椎体と椎体をつないでいる「繊維輪」によって運動や連結が制約されないので、自由で大きく関節が動くことができます。

頚椎の回旋運動可動域の2分の1は、後頭/環椎、環椎/軸椎の上位頸椎によるものです。

これらの頸椎は可動域が大きいですが、その分障害を受けやすく、不安定な部位とも言えます。

 

環椎や軸椎は、頚椎全体の可動範囲のうち、相当な割合を担っているものです。

そのため、環椎や軸椎が脊椎圧迫骨折等によって変形して固定してしまったり、環椎と軸椎の固定術が行われて可動性がほとんど失われてしまったりすると、頚椎全体の可動範囲も大きく制限されてしまいます。

そこで、こうした障害が起こると、次に紹介する脊柱の「運動障害」としての82号にも該当することがほとんどです。

なお、環椎や軸椎が変形・固定していることは、最大矯正位のレントゲン撮影により、確認できます。

 

 

3.脊柱の変形の後遺障害のポイント

「脊柱に著しい変形を残すもの」「脊柱に中程度の変形を残すもの」の後遺障害は、脊柱の後弯や側弯の程度によって等級が認定されているものです。変形だけに注目するものではありません。

 

 

このように、後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので後遺障害の申請をお考えの方は弁護士に相談ください。

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