解決事例

鎖骨の変形障害の後遺障害により、12級5号が認定され790万円を獲得した事案

傷病名 : 鎖骨骨折

アジア総合法律事務所依頼
獲得額 790万円
後遺障害等級 併合12級5号

790万円獲得

バイクを運転中に、交差点で出会い頭の事故に遭った事例

解決のポイント

ご相談の趣旨

ご相談者は、バイクで交差点を直進中に直進してきた乗用車と出会い頭で衝突し、鎖骨を骨折しました。

事前認定により、鎖骨の変形障害として、後遺障害等級12級5号が認定されましたが、相手方保険会社から、259万円の提示がされたため、この提示金額が適正かどうか知りたいとのことで、ご相談に来られました。

方針、弁護士費用について

鎖骨の変形障害とは、交通事故による鎖骨の骨折後に、「見た目に分かる程度」の変形(でっぱり、膨隆等の何らかの変化)が生じることです。

鎖骨の変形があっても、本人がほとんど意識していないこともあり、見落とされることが多い後遺障害の1つです。

本件では、相手方の提示金額をみて、増額の余地があると考えられましたので、依頼をいただき当法律事務所の弁護士がその後の交渉を引き継ぐこととなりました

弁護士用について心配をされておりましたので、弁護士費用については完全成功報酬かつ、後払いとし、安心して依頼をしていただきました。

示談交渉

示談交渉では、相手方は、「依頼者の収入の減少がないこと」を強く主張し、なかなか賠償金額を譲ろうとしませんでしたので、依頼者と相談をし、(財)交通事故紛争処理センター(通称:紛セン)へ申立を行うように方針を変更しました。

紛争処理センター(紛セン)への申立

相手方は、①「鎖骨の変形障害」は、労働能力の喪失を伴わない②現実の収入が向上している以上は、逸失利益はないはずとの主張を行い、逸失利益を否定してきました。

そこで、当事務所としては、鎖骨の変形障害について、(1)疼痛などの神経症状がある場合、(2)肩関節に可動域の制限がある場合には、14%の労働能力喪失率が認められていること、依頼者がタクシー運転手として肉体労働に従事していること、実際にタクシー運転手としての業務を行うにあたっての支障などを主張立証しました。

また、②現実の収入は向上しているが、勤務時間の減少、実車率の向上などのデータをタクシー会社から取り寄せ、交通事故の前後1年間の比較データを作成し、紛センに提出しました。

さらには、他県から福岡に転勤してきたタクシードライバーであったことから、「本人の特別の努力」により、収入の減少を防いでいるという事実を丁寧に主張立証しました。

紛争処理センター(フンセン)の結果

紛センの斡旋委員に対して過去の裁判例や、事故前後の勤務記録等による主張立証を行ったところ、斡旋委員から、概ね当方の主張を認める斡旋案を作成していただきました。

逸失利益については、症状固定後からの労働能力喪失率14%を17年間、その後5%を8年間とし、逸失利益として、557万2383円の斡旋案の提示がありました。

最終的には、790万円での解決となりました。

担当弁護士からの声

本件では、鎖骨の変形障害という逸失利益が認められるか微妙な事案において、当法律事務所の主張が概ね採用され3倍以上の賠償金の獲得となりました。

しかし、本来は、鎖骨の変形障害でかつ、事故後の現実的な収入は増加していたため、簡単には逸失利益が認められる事案ではありませんでした。

勤務記録(勤務時間、実車率、走行キロ等)を交通事故の前後において、月ごとデータ化し、詳細な立証し、本件に添った裁判例を調査、提出することにより、当方の主張に添ったフンセン斡旋委員の判断を引き出すことができました。

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