後遺障害事例

外傷性骨化性筋炎(がいしょうせい こっかせい きんえん)

外傷性骨化性筋炎(がいしょうせいこっかせいきんえん)とは、「筋肉が炎症することによってカルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって筋組織の中に骨が形成される」という症状です。

骨化(こっか)とは、骨組織が存在しない部位に骨が形成されるという症状です。筋肉、腱、靭帯、臓器、関節包などの軟部組織に、石灰が沈着して骨が生成されます。

カルテには「異所性骨化症」と記載されることがあります。骨化性筋炎と同じ傷病名です。

 

(1)治療の流れ

外傷性骨化性筋炎を発症した場合は、下記の流れで治療が行われます。

 

①交通事故で衝撃を受けて、筋組織が損傷して血腫(けっしゅ)が形成される

②血腫が吸収されると同時に、カルシウムが沈着して石灰化が生じる

③およそ2週間ほどかけて、石灰化した部分が徐々に拡がっていく

④およそ3〜4週間ほど経つと、XP(レントゲン)で骨化した部位を確認できるようになる

⑤およそ4〜5ヶ月ほどかけて、治療として患部を徐々に動かすことによって、骨化した部分を次第に縮小させる

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交通事故の直後は、RICEという処置を取ることが重要です。RICEとは、「安静にする」「冷却する」「圧迫する」「挙上する」という意味です。これらの処置を取ることによって、血腫の拡大を防ぐことができます。

 

 

(2)後遺障害

外傷性骨化性筋炎は、血液検査などによって容易に確定診断することができる症状であり、これに対する治療法も確立されています。

血腫が大きいケースでは、「血栓溶解剤(けっせんようかいざい)を血腫内に注射し、固まった血腫を溶かして吸い出す」という治療法が実施されています。治療が順調に進んだ場合は、およそ3週間前後で治癒すると報告されています。適切な治療が行われれば、後遺症が生じることはありません。

血腫が小さいケースでは、筋肉内に広範囲に点状出血が広がっていることがあります。このような場合は、上記の治療を行うことができないため、自然治癒を待つしかありません。自然治癒を待つ場合は、完治するまでに時間がかかりますが、時間の経過とともに順調に回復します。後遺障害が生じることもありません。

 

以上のとおり、外傷性骨化性筋炎を発症しても、適切な治療が行われれば、後遺症が生じることはありません。ただし、病院で適切な治療を受けることができなかった場合は、痛みなどの神経症状が残ることがあります。

痛みなどの神経症状が残った場合は、痛みそのものを理由として、後遺障害等級14級9号に認定される可能性があります。痛みが激しい場合は、後遺障害等級12級13号の対象となります。

 

 

(3)後遺障害を申請する際の注意点

外傷性骨化性筋炎を発症して痛みなどの神経症状が残った場合は、後遺障害として申請することができます。ただし残念ながら、被害者の方が「痛い」と言うだけでは後遺障害として認定されることはありません。「痛い」という被害者の言葉を支える「客観的な資料」が必要です。

痛みや痺れ(しびれ)を客観的に示すことができる資料としては、XP(レントゲン)やCT(スキャン)、MRIなどの医学的資料が挙げられます

多くの場合は、MRIが最も有用な立証資料となります。XP(レントゲン)やCT(スキャン)は、骨の状態を示す資料としては有効ですが、痛みや痺れ(しびれ)などの神経症状を立証できない場合があります

医師の治療方針によっては、交通事故の直後にMRIを撮影しないことがあります。MRIを撮影しないことは、医療ミスでも何でもありません。MRIは示談手続きのためには重要な資料ですが、医学的な観点からは必ずしも重要とは限らないからです。

 

しかし、治療のために必要でなくても、交通事故の示談手続きでは非常に重要な証拠となります。MRIがあるかどうかによって、後遺障害等級の判断が左右され、ひいては損害賠償の金額が大きく増額することがあります

MRIの画像によって後遺障害等級14級を獲得することができた場合は、損害賠償金はおよそ250万~300万円程度、12級であれば500万~1,000万円程度となる可能性があります。これは弁護士に依頼した場合の参考金額ですので、個別事案によって金額は異なります。

XP(レントゲン)やCT(スキャン)で立証するかMRIで立証するかは、被害者の症状によってケースバイケースです。症状によっては、XP(レントゲン)が有利な証拠となる場合もあれば、MRIが有用な証拠となる場合もあります。

 

適切な資料を提出しなければ、適切な後遺障害等級の認定を受けることができません。少しでも有利に交渉を進めるためには、交通事故に精通した弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

示談手続きでどのような証拠が必要となるかは、法律の専門家である弁護士が熟知しています。アジア総合法律事務所では、日頃から交通事故の解決に力を入れて取り組んでおり、福岡を始めとして九州各地、全国の方からたくさんのご相談やご依頼をいただいております。社内における交通事故の研修を行うなど、交通事故に関する知識の向上にも努めております。

当事務所では、治療中の方からのご相談も受け付けております。「まだ弁護士に依頼するかどうか迷っている」という方も大歓迎です。交通事故のご相談は初回無料ですので、外傷性骨化性筋炎の後遺症でお悩みの方は、ご予算を気にすることなくお気軽にご相談ください。

 

当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。

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