手根骨(しゅこんこつ)の骨折 有頭骨骨折(ゆうとうこつこっせつ)
有頭骨(ゆうとうこつ)とは、手根骨(しゅこんこつ)の一つです。中指の中手骨(ちゅうしゅこつ)の真下にあります。
下記のイラストの「頭」と書いてある部分が、有頭骨(ゆうとうこつ)です。
交通事故では、自転車やバイクで転倒した場合に骨折しやすいと言われています。
(1)症状
有頭骨(ゆうとうこつ)を骨折すると、手首を動かすたびに痛みを感じたり、手首の関節を自由に動かすことができなくなります。
痛みといっても、強い痛みではありません。我慢できないほどの痛みではないため、被害者の方が「気のせいかもしれない」と軽く考えて、わざわざお医者さんに痛みを伝えないことがあります。
お医者さんに伝えないと、骨折に気が付かないまま治療が進んでしまうことになります。激しい痛みでなくも、手のひらに痛みがある場合は手根骨(しゅこんこつ)を骨折している可能性がありますので、必ずお医者さんに相談しましょう。
主治医に痛みを伝えた場合であっても、有頭骨(ゆうとうこつ)の骨折はXP(レントゲン)では確認しにくいため、主治医が骨折を見逃してしまうということがあります。手のひらに痛みがある場合は、必ず手の外科の専門医を受診しましょう。
手の外科の専門医であれば、CT(スキャン)やMRIの画像を駆使して、手根骨(しゅこんこつ)の骨折や脱臼(だっきゅう)を専門的に分析してくれます。
専門医に心当たりが無い場合でも、主治医に相談すれば、最寄りの専門医を紹介してくれます。
専門医に相談する場合は、なるべく事故の直後に受診するようにしましょう。交通事故から数週間が経って後に骨折が確認された場合は、後遺障害の認定を受けることが難しくなります。「本当に交通事故によって骨折したのか」と疑われてしまうからです。
このような疑いを払拭(ふっしょく)するためには、交通事故によって骨折が生じたことについて、CT(スキャン)やカルテなどの医学的な資料を用いて、説得的に立証しなければいけません。後遺障害診断書を作成する際には、専門医による診断を受けて聴き取りを行うことも重要となります。
交通事故の直後に骨折を確認できなかった場合は、後遺障害の申請が複雑となります。このような場合は、なるべく早期に交通事故に精通した弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。
当事務所では、数多くの交通事故の案件を取り扱っており、交通事故の研修を行うなど研鑽にも力を入れております。初回のご相談は無料ですので、ご予算を気にすること無くお気軽にご相談ください。
(2)後遺障害
手根骨(しゅこんこつ)を骨折したことにより、手の関節が4分の3以上動かなくなった場合は、機能障害として後遺障害12級6号に認定される可能性があります。機能障害とは、関節が自由に動かなくなる後遺症のことです。
手のひらに痛みが残った場合は、神経症状として後遺障害等級14級9号に認定されう可能性があります。ただし、医学的資料を用いて骨折部の変形癒合(へんけいゆごう)を立証するなど、専門的な知識が必要となります。
なお、手根骨(しゅこんこつ)を骨折した場合、手術が行われることがあります。手術を受けた結果、手の関節が自由に動くようになれば、機能障害は非該当となります。
後遺障害に認定されるかどうかによって、損害賠償金は大きく異なります。個別事案によって金額は異なりますが、弁護士が交渉することにより後遺障害等級14級の場合には250万~300万円程度、12級であれば500万~1,000万円程度の賠償金額となる可能性があります。
つまり、手術を受けるかどうかによって、後遺障害に認定されるかどうかが左右され、ひいては損害賠償金の金額も大きく変わります。
手術を受けるかどうかは、ご自身の症状を改善するためにも重要な判断となります。お医者さんと十分にご相談したうえで、慎重に判断してください。
主治医と相談しても決断できないとお悩みの方は、当事務所までご相談ください。弁護士が個別事案を詳しくお聞き取りしたうえで、症状に即して法律的なアドバイスを行います。
当事務所では、治療中の方からのご相談も承っております。手術を受けるべきかどうかは、被害者の症状によって異なります。治療方針について法律的な観点からアドバイスが欲しいという方は、いつでも当事務所にご相談ください。アジア総合法律事務所では、福岡のみならず、九州、全国からご相談やご依頼を受け付けております。
当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。