手根骨(しゅこんこつ)の骨折 手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)
手首の付け根の骨は、手根骨(しゅこんこつ)と呼ばれています。手根骨(しゅこんこつ)は、8個の小さな骨で構成されています。8つの小さな骨は、靭帯(じんたい)によって連結します。
交通事故によって手根骨(しゅこんこつ)骨折した場合、二次性疾患として手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)が生じることがあります。
(1)症状
手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)を発症すると、手の関節を自由に動かすことができなくなります。
手首を動かす度に痛みを感じて、思うように食事をすることができなくなったり、今までどおりに文字を書くことができなくなります。
握力も低下するため、物をつかんだり握ったりすることが難しくなります。
(2)治療
手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)を発症しても、XP(レントゲン)では症状をはっきりと確認できないことがあります。このため、単なる捻挫(ねんざ)として扱われることがあります。
医師によって捻挫(ねんざ)と診断されてしまうと、適切な治療を受けることができなくなります。捻挫(ねんざ)の治療は、一般的には患部を固定するのみです。手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)は、患部を固定するのみでは完治しません。
手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)を発症した場合、症状によっては手術が必要となります。捻挫(ねんざ)として診断されしてしまうと、手術を受ける機会を失ってしまい、手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)が悪化するおそれがあります。
このようなリスクを避けるためにも、手首の周囲に痛みを感じている場合は、できる限り早期に専門医を受診しましょう。軽い痛みであっても、手首の周辺に痛みが生じている場合は、手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)の可能性があります。
専門医の受診は早ければ早いほど良いのですが、遅くても事故から2ヶ月以内には専門医に診断してもらいましょう。専門医に心当たりがない場合でも、主治医に相談すれば、最寄りの専門医を紹介してくれることがあります。
(3)後遺障害
手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)を発症すると、手の関節が自由に動かなくなることがあります。このように関節が自由に動かなくなる後遺症のことを、「機能障害(きのうしょうがい)」と言います。
手の関節の機能障害を後遺障害として申請する場合は、関節が動く角度を計測して、「どれぐらい関節に制限がかかっているか」を報告します。関節に制限がかかっている程度によって、後遺障害の等級が決まります。
手の関節の機能障害は、後遺障害等級10級10号、12級6号の対象となります。
手首の周囲に疼痛(とうつう)が残った場合は、神経症状として後遺障害を申請することができます。後遺障害等級としては、12級13号又は14級9号に該当する可能性があります。
ただし、被害者自身が痛いと言っているからといって、直ちに後遺障害12級や14級に認定されるわけではありません。
痛みが生じる理由を、CT(スキャン)やMRIなどの医学的資料を用いて論理的に説明しなければいけません。資料をそろえる際には、症状に即した適切な資料を集めることが重要です。
説得的な資料をそろえることができなければ、後遺障害の認定を受けることはできません。手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)の神経症状について後遺障害の申請をご検討されている方は、交通事故に精通した弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。
アジア総合法律事務所では、日頃から交通事故の解決に力を入れて取り組んでいます。手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)の後遺症でお悩みの方は、当事務所までお気軽にご連絡ください。
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