背骨の仕組み
交通事故では、背骨に関連する後遺障害が非常にたくさんあります。
そこで、この仕組みを知っていると、後遺障害認定に効果的に対応することができます。
以下では、交通事故に詳しい福岡の弁護士が、背骨の仕組みについてご説明します。
背骨と脊柱は、7つの頚椎と12の胸椎、5つの腰椎と仙骨、尾骨、合計25個の椎骨の集合によって構成されています。その全体を、一般的には背骨、バックボーンと言い、医学的には「脊柱(せきちゅう)」と言います。
脊柱は、正面から見るとまっすぐですが、横から見ると、ゆるやかなS字状となっています。
頚椎は前弯、次の胸椎は後弯、その次の腰椎はまた前弯、さらに仙椎は後弯しているからです。
このカーブのことを、医学用語では、「アライメント」と言っています。
脊柱には3つの役割があります。1つは身体を支えるための柱(バックボーン)としての役割、2つ目は、体幹を前後や左右に曲げたり捻ったりする運動をするための役割、3つ目は、脊髄や中枢神経を脊柱管によって保護する役割です。
骨と骨をつなぐ部分を関節といいますが、2つの骨があったら間に「関節腔」とよばれる空間があります。この空間により、摩擦が和らいで運動の向きや範囲を一定に保つことができるのです。
脊柱を構成している骨は「椎体骨」ですが、これは、前方の椎体と後方の椎弓、棘突起という3種類の部位によって構成されています。そして、中央部には、脊髄と馬尾神経が走る「脊柱管」という管があります。
椎体と椎体の間には「椎間板」が挟まっていて、互いに連なり、柱状となっています。
椎間板は、椎体と椎体の間にある板状の軟骨組織です。弾力性が高く、人が体を動かしたとき衝撃を吸収しています。椎間板の働きによって、人はスムーズに身体を前後左右に曲げ、ねじることができているのです。
椎間板の中央部には「髄核」という、水分の多いゼリー状の柔らかい組織があります。
そして、その周囲を囲むようにして「線維輪」という組織が何層にも重なり、「髄核」を保護しています。
ただし、人が年を取ると、椎間板は徐々に水分を蒸散して、衝撃を吸収しにくくなっていきます。
たとえば、70歳を過ぎる頃には、水分が抜けて乾ききった状態となっています。
以上が、交通事故後遺障害認定の際にも重要な、人間の背骨(バックボーン)の仕組みです。
このように、後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので後遺障害の申請をお考えの方は弁護士に相談ください。
当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。