後遺障害事例

足根骨の骨折 有痛性外𦙾骨(ゆうつうせいがいけいこつ)

1.有痛性外脛骨とは

交通事故で足を怪我すると「有痛性外脛骨」という傷病が問題になるケースがあります。

外𦙾骨(がいけいこつ)とは、足の内側にある過剰骨または、種子骨の1つです。過剰骨とは、普通はない、余分な骨ということです。

つまり、外脛骨は、誰にでもあるわけではなく、1520%程度の人にしか認められない骨です。ただし、こういった方の場合でも、ふだんは、骨が出っ張っているだけなので、痛みなどの症状がないのであれば、問題はありません。

そこで、たまたま外脛骨のある方が交通事故で怪我をすると「足関節内・外果骨折、有痛性外𦙾骨」などと診断されることがあります。

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上の図は、外脛骨がある人の足の内側部を示したものです。内側の骨の端の部位に外𦙾骨が存在しています。

 

足の内側には舟状骨粗面に出っ張った部分があり、「後𦙾骨筋」という筋肉がついています。この筋肉は、足の土踏まずやアーチ型の構造を維持するために重要な役割を果たしているものです。

 

有痛性外𦙾骨になると、繰り返し後𦙾骨筋が引っ張られることによって、外𦙾骨が舟状骨から剥がれてしまったり捻挫したりすることで、炎症を引き起こします。そこで、患者は疼痛を感じるようになります。

 

2.治療方法

交通事故で有痛性外脛骨になった場合、局所を安静にして、鎮痛剤や温熱療法などの保存療法を行い、疼痛を改善します。

症状が長期化する場合や疼痛が繰り返して出現するときには、ギプス固定や足底板(足のアーチサポート用の器具)を装着させて、リハビリ治療を行います。

多くのケースでは保存療法によって改善できますが、4ヵ月以上保存療法を実施しても症状が改善しない場合や、再発を繰り返して日常生活に支障が発生する場合には、外科手術を選択します。

 

外科手術を行うときには、外𦙾骨を摘出して、舟状骨の突出部も一部骨切りを行います。そして、支持組織である「後𦙾骨筋腱」と「底側踵舟靱帯」を再縫着させます。これがうまくいくと、運動痛が消失しますし、通常であれば後遺障害は残らずに済みます。

 

交通事故が原因で有痛性外脛骨となった場合、そもそも患者数が少ないことから適切に診断を受けられないこともありますし、後遺障害認定を受けるためには医学的知識が必要です。交通事故に遭い、有痛性外脛骨と診断された場合には、一度弁護士までご相談ください。

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