後遺障害事例

頭部外傷 対側損傷

脳挫傷+対角線上脳挫傷=対側損傷

交通事故で頭部に大きな衝撃を受けると、衝撃を受けた場所とは別の部分に脳損傷を発症することがあります。

衝撃が加わった部位と対角線の位置に脳損傷が生じることを、「対側損傷」と呼びます。

 

多くの場合、後頭部に強い衝撃を受けた際に、前頭葉や側頭葉に脳損傷を生じます。

 

下記は、対側損傷を発症した方のCT画像です。

32-1

 

この被害者は、前頭葉の左側部に頭蓋骨骨折を負いました。

32-2

その衝撃波により、対角線上の右後頭部に脳挫傷を発症しました。

32-3

 

 

この被害者は軽度の遂行機能障害が認められたため、後遺障害等級9級10号が認定されました。

 

なお、衝撃波による対側損傷では、多くの場合、びまん性軸索損傷を伴います。

(びまん性軸索損傷とは)

重度な意識障害があるときは、びまん性軸索損傷の可能性を疑わなければいけません。

 

 

 

幸いなことに、この被害者には重度な意識障害はありませんでした。

強調MRI(T2スター)によっても、びまん性軸索損傷は認められませんでした。

 

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