後遺障害事例

環軸椎脱臼・亜脱臼(かんじくついだっきゅう・あだっきゅう)

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1.頸椎の構造

環軸椎脱臼・亜脱臼とは、環椎と軸椎をつなぐ関節が外れてしまったり、外れかかったりしてしまう症状です。

交通事故で受傷すると、この症状が現れることもあります。そして、環軸椎脱臼(亜脱臼)を正しく理解するためには、まずは頸椎の構造を把握しておきましょう。

頚椎は、正面から見たときに、7つの椎体が連なったものとなっています。C1環椎とC2軸椎は、独特な形です。

軸椎には歯突起があり、軸を中心として環軸が回転することによって、首を左右に回転することができるのです。

軸椎以下の頚椎については、「椎間板」という軟骨でできたクッションによって椎体が連結されています。これによって、頚椎が「しなる」ような動きをすることができます。

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環軸関節は、正面で言うと、口のあたりにあり、環椎の上に頭蓋骨が乗っています。

この関節の支えによって頚部が左右に動きます。

 

 

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左のレントゲン側面像によると、環椎が前方向に脱臼していることがわかります。

右は、この症状を整復して、スクリューで固定したものです。

 

環椎と軸椎は、7つの頚椎のうち、最上部と2番目の椎体骨で、頭蓋骨と接しているものです。

交通事故では、後方から大きな力が加わって過度の屈曲が起こります。すると、軸椎の歯突起が骨折して、環軸椎亜脱臼や脱臼が発症します。

環軸椎脱臼とは、環椎と軸椎をつなぐ関節が完全に外れてしまったものであり、環軸椎亜脱臼とは、この関節が外れかかった状態となり、4mm以上の転位があるものです。

 

 

 

 

2.環軸椎脱臼・亜脱臼の症状

転位の程度によっては、脊柱管内の脊髄が圧迫・損傷することもあります。すると、脊髄の圧迫症状として、手足の運動麻痺や感覚麻痺、呼吸障害、膀胱・直腸障害などが起こります。また、後頭神経の圧迫症状として、後頚部痛や椎骨動脈の圧迫による強いめまいが起こって、坐位ができなくなることもあります。

環軸椎亜脱臼の場合、治療方法は、保存療法としてソフトカラー、フィラデルフィアカラーによる固定が選択されます。

脊髄症状のある重症例では、スクリュー固定による外科手術が必須となります。      

 

 

 

3.環軸椎脱臼・亜脱臼による後遺障害のポイント

環軸椎脱臼や亜脱臼の後遺障害については、脊柱の変形障害、脊柱の運動障害、神経系統の機能障害の3方向から検討する必要があります。非常に高度な立証作業が求められるところです。

 

3-1.脊柱の変形障害

環椎または軸椎の変形・固定によって、次のいずれかに該当する場合には、82号となります。

  1. 回旋位が60°以上となっているもの
  2. 屈曲位が50°以上または進展位が60°以上となっているもの
  3. 側屈位となり、レントゲンなどによって、矯正位の頭蓋底部両端を結んだ線と軸椎下面の平行線が交わる角度が30°以上の斜位になっていることが確認できるもの

AとBを調べるときには、軸椎以下の脊柱を動かさず、被害者にとって自然な肢位において、回旋位や屈曲・伸展位の角度を測ります。

 

3-2.脊柱の運動障害

交通事故で環軸椎脱臼・亜脱臼となったとき、頭蓋・上位頚椎に著しく異常な可動性が生じた場合、82号となります。

 

3-3.神経系統の機能障害

環軸椎の脱臼骨折では固定術が行われることがありますが、術後の被害者には、さまざまな症状が顕れることがあります。

その場合、症状の内容や程度によって、神経系統の機能障害が認定される可能性があります。等級としては、52号、74号、910号が認定されます。膀胱機能障害がある場合には、併合の対象となります。

3-4.後遺障害認定で必要な書類

環軸椎脱臼、亜脱臼で後遺障害を立証するためには、後遺障害診断書だけではなく、「脊髄症状判定用」の用紙が必要です。どちらも担当医に渡して記載してもらいましょう。

 

アジア総合法律事務所では、交通事故被害者の方にこうした症状がある場合、事前にしっかりと症状内容の確認を行い、具体的に被害者がどのような問題を抱えているのか、担当医に伝えることにより、効果的に後遺障害等級の獲得を目指しています。

 

3-5.注意点

一般的な整形外科では、4mm程度の亜脱臼が見落とされることが多いです。

そのようなミスを防ぎ、後遺障害の立証を成功させるためには、脊椎や脊髄の専門医にかかる必要があります。

 

 

 

このように、後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので後遺障害の申請をお考えの方は弁護士に相談ください。

アジア総合法律事務所では、福岡のみならず、九州、全国からご相談やご依頼を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。

当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。

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